On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2024-03-26 03:49:10
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (0)

自由民主党が政権を喪う可能性だけではなく、日本の政党政治そのものが瓦解に至る怖れが、日々刻々、膨らんでいます



▼去る3月17日の日曜に、自由民主党の党大会が開かれたことは、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
 わたしが不肖ながら、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) と並んで代表を務める「政治 ( まつりごと ) 変革会議」は、その党大会の前に、総理が主宰の「政治刷新本部」をもう一度、開いて平場で議員が自由に発言する機会を最低限つくるべきだと求めました。

 具体的には、党四役を、「政治 ( まつりごと ) 変革会議」のメンバーに有志議員を加えて、回っていったのです。
 総務会長、選対委員長、政調会長と回り、議論をし、最後に幹事長室を訪れました。すべて事前のアポイントをあえて取らず、飛び込みです。
 幹事長だけは会えませんでしたが、他の三役からは、積極的な反応もありました。

▼そして開かれたのが、写真の、いわば臨時の政治刷新本部です。
 党大会の3日前、3月14日木曜のことでした。

▼このときの政治刷新本部は、ほんらい予定されていなかったから、いつもの会場、党本部の最上階のとても広い会議室はすでに団体使用で埋まっていたそうです。
 代わりに、その1階下のホールが使われました。

 ホールというのは、舞台があり、その下に映画館のような座席が広がっている場所です。
 会議室と違い、総理や幹事長と距離があります。
 これでは、議論がしにくいと懸念し、その懸念も非公式に伝えました。

▼その会場に、いつもの通りいちばん最初に入ってみると、まだ議員は誰もいないなか写真のように舞台は幕で閉じられています ( 幕の真ん中は党章です ) 。
 舞台の下に、総理らの並ぶ席がつくられています。これから多くの議員が座っていくはずの座席の、その目の前です。
 わたしは党本部の職員のみなさんの苦心と苦労を思いました。 
 


▼実際に、総理や副総裁、そして幹事長をはじめ党四役らがその臨時にしつらえられた席に着座され、議論が始まりました。



▼たとえば、「政治 ( まつりごと ) 変革会議」のメンバーである穂坂泰代議士が、街頭に立って演説しようとするとどれくらい烈しい主権者の怒りを浴びるかということを含めて、本物の変革を実践すべきだという趣旨を切々と訴えられました。

 わたしも、いつも通りに発言しました。
 なかでも強調したのは、「旧来の派閥を解消するというならば、具体的にまず、派閥を『その他の政治団体』として総務大臣に届けていることを取り下げさせ、今後は禁止することを明示すべきです。それなら、派閥のパーティは開けなくなります。現在は、政治刷新本部と言いながら政治を刷新する担保、保障が無い」ということです。

 これに対し幹事長が「政治団体登録をすべていったんやめさせる」という趣旨の回答をされました。
「いったん」という言葉が付いているものの、初めての意思表示です。

 ところが、党大会の中身は、その意思表示を裏切るものでした。
 象徴的だったのは、岸田総理が演説の冒頭で、「一部の派閥が問題を起こし・・・」と発言されたことです。
 この演説文は、おそらくは官邸官僚と共に推敲を重ね、プロンプター ( 総理の眼前に原稿を表示する、透明のプラスチックボード ) を読み上げられたのですから、失言などではありません。
 まさしく総理は、安倍派など「一部の派閥」を非難しつつみずから総理でありながら会長であり続けた宏池会は違うという認識を、意図して明示されたのです。

 これは、政治的退廃です。
 それが、なにをもたらすか。

 政治記者を含め記者を18年9か月、務め、国会議員をこれまでに7年9か月務めてきた体験から、現在の野党に政権担当能力があるとは考えません。
 その野党か、あるいは野党と組んだ自由民主党の一部の政治家に政権が渡るリスクがあります。

 しかし、ほんとうのリスクはそれを超えています。
 日本が戦前に直面した、政党政治の崩壊の再来となる怖れがあります。

▼こうしたことを主権者のみなさんと一緒に考えるための、土台となる情報、かつ、たった今の情報を、この動画でお話ししています。






 
  • 前の記事へ
  • 記事の一覧へ
  • 次の記事へ
  • ページのトップへ

 

コメントは原則非公開です。それをご理解のうえ、投稿してください

名前
タイトル
メールアドレス
コメント
認証入力
画像認証 CAPTCHA Image 画像変更

※入力欄はすべて必須です。
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。

もう一度、コメントがすべて「原則非公開」であることを確認され、投稿ボタンを押してください。

  • ページのトップへ