On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2026-09-25 02:18:37
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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日本の主人公のみなさんの変わらない支え、そして新しい支えに、胸の奥が熱くなりました



▼先週末に東京ビッグサイトで開いた178回目に及ぶ独立講演会は、定数1000人の広大な会場に、900人が集まってくださいました。
 独立講演会の長い歴史で例外的な定数割れであっても、この物価高の時代に会費を払って900人もの主権者が集まってくださるのは、むしろ凄いことです。
 ふつうの映画の2倍以上の4時間半の講演、その冒頭に、みなさんに頭を上げて感謝を申しあげました。
 みなさんは大きな拍手で応えてくださいました。

 わたしは政府を去り、自由な立場となり、なんとなくアロハを着ました。
 アメリカ合州国ハワイ州の真珠湾にある米軍司令部 ( PACOM ) で議論し、司令部を出て、ふと買った白いアロハです。それはずっと以前のことで、買ったのを忘れていました。
 初めて着てみて、サイズがずいぶん大きすぎるのに気づきましたが、そのまま東京ビッグサイトに入りました。
 みなさんが、そのアロハに敏感に反応して愉しそうに笑って歓迎してくださったのには、ちょっと驚きました。
 独立講演会は以心伝心ですね。

▼独立講演会の「独立」には、日本の真の独立を志すという意味と、表にも裏にもいかなるスポンサーも居ないという意味があります。
 スポンサーが居ないために、人件費や警備費をはじめとする諸経費に加えて、まず必要になる高額な会場費を参加者のみんなで分担していただいています。会費は利潤のためではありませぬ。

 その会費は、15年5か月のあいだ、どんなに物価が上がっても、値上げすることはありません。
 常連の参加者を中心に、会費を上げるよう促す書き込みをこの個人ブログにいただいています。それは主宰者の独立総合研究所 ( 独研 ) の決めることですが、値上げの考えはまったく無いだろうと思います。

 わたし自身は、10年3か月前に初めて参院選に出たとき、独研の創業社長を辞め、創業者株も全株を無償で返上しています。独立講演会も、その独研から講演のみを委託されていますから、講演会の運営にはタッチしていません。
 しかし、わたしも会費の値上げを想像することはありません。

 それは26年6か月のあいだ、第1号レポートの配信から第1562号レポートの現在に至るまで、会費を上げない完全会員制の機密レポート「東京コンフィデンシャル・レポート」 ( TCR / ここです ) と同じく、不肖わたしのささやかな思想です。
 それを今も深く理解してくれる独立総合研究所 ( 独立講演会やTCRを主宰 ) と、独立講演会の参加者、TCRの会員のみなさんに感謝します。



▼独立講演会の最後に、希望者に舞台に上がってもらい、こゝろに残る集合写真を撮りました。
 参加者の合意のもと、「すべての拉致被害者を救出するぞ」と声を合わせました。

 独立講演会を存続させるための戦いは続きます。
 次の募集はここです。11月に初めて埼玉県で開きます。

▼独立講演会は上述の通り、有償の発信です。
 同時に、無償、無条件の発信も倦まず弛まず、続けています。
 その柱のひとつが、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」です。
 今夜にアップした最新放送は、これです。
 見逃していいことと、見逃してはならないことがあります。ただし、外務省の ( 非公式な ) 反論もしっかりと紹介しています。

 政府を去ったので暇になるはずが、環境副大臣の公務のためにできなかった仕事が、瞬時に戻ってきました。
 幸か不幸か、超絶多忙は変わりませぬ。
 そのため紹介できないでいた放送・動画がいくつかあります。

 ひとつはこれです。
 自由民主党大阪府連の会長だったとき、中国をはじめ外国人が実質的に運営し外国人を泊める民泊 ( あくまで一部の民泊 ) の引き起こす迷惑行為との戦いが、見えざる戦いのひとつでした。
 その民泊を規制する行政の動きがようやく具体化しているときに、奇怪な報道があります。その問題を追及しています。

 もうひとつはこれです。
 日本政府の中枢にハッキングが行われていたという非常にショッキングな事実です。

 さらにこれです。
 プーチン大統領が、日本国の菊の紋章を侮辱する行為をなぜ行うか、その隠された狙いを読み解いています。

 そして、わたし自身も心して受け止めている朗報について、ここで話しています。

▼ところで、ショート動画が苦戦する時があっても、まったく屈しない学生インターンの増野優斗くんに、あらためて敬意を表したいと思います。

 優斗くんは、早稲田大学政治経済学部の政治学科1年生のとき、3か月の予定で、議員会館の青山繁晴事務所へ学生インターンとして自由民主党本部から派遣されてきました。
 それが今や、5年目、早大を卒業して、この秋からは慶應義塾大学の大学院で政治学を学び続けながら、わたしと連携してショート動画による無償発信を続けています。
 ぼくは彼の鍛錬のために、いろんな文句を言います。優斗くんは、逞しく平然と、それを受け止めます。

 三浦麻未・公設政策秘書はきのう、ショート動画の収録のまえに、ぼくに「 ( 彼は ) 議員の真似をしたいんですよ」とジョークを言いました。
 ぼくは「逆じゃん」と応えました。
 ぼくは慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政治経済学部の経済学科を卒業しているからです。ぼくは慶応 ⇒ 早稲田、優斗くんは早稲田 ⇒ 慶応、逆ですね。

 しかし、ま、彼の気持ちは分かります。
 ワセダを堪能すれば、慶應も味わってみたいですよね。

 ショート動画の収録のとき、「もう、塾歌を歌いました」と彼が言うのです。
 ぼくは思わず、真剣に、しみじみと「塾歌はいいよね」と応えてしまいました。
 早稲田大学校歌の「都の西北」に比べて、慶應義塾大学の校歌にあたる「塾歌」はあまり知られていません。
 しかし「見よ、風に鳴る、わが旗を」から始まるその歌は、胸を打ちます。
 
 優斗くんには何も言いませんでしたが、そのとき、衆議院議員会館の青山繁晴事務所の一室で、ぼくの胸にはあの苦しかった慶大生時代が一瞬だけ、甦りました。

『なぜ俺たちは当然のように大学に進んで、なぜ大学に行きたくても行けない人が居るのか。俺は今すぐ、この楽しい慶應義塾大学を辞めて、働いて、大学に行けない人と同じ立場になるべきじゃないのか』

『そんな馬鹿な。しっかり勉強して、躰も作って、世の中を良くするために貢献できる人間になるべきだろう』

『それを言うのは、保身のためだ。やっぱり大学生で居たいんだ。子供が当然のこととして大学に進む家庭にたまたま生まれた自分の立場を守りたいだけだ』

 この自問自答に苦しみ抜いていた二十歳でした。
 しばらく一緒に住んでいた早大生の兄にも、慶應の友だちにも、卒業した淳心学院中高等学校の同級生にも、もちろん両親にも、誰にも一切何も言わず、ひとり苦悶していました。
 そして自ら決して、慶応で哲学を学ぼうとしていたのをやめ、早稲田で、社会を変えるために経済学を学ぶ決意をして、友だちや肉親に相談しないまま慶応の文学部を中退し、早大の政経学部をいちから受験し直したのでした。

 その、ある意味、異様な苦しみの青春に比べ、明るく堅実に世の改革に取り組もうとする優斗くんを見ていて、ぼくは羨ましいとは思いません。
 青春には、かつてのぼくがそうであったように、誰にも、見えざる苦しみがあります。
 優斗くんの歩みを、ささやかに応援できることを願うばかりです。

 ショート動画のテーマはいつも、優斗くんが提案します。
 彼の努力に応えるのは、金銭ではありません。ショート動画は無償ですし、彼はボランティアである学生インターンです。
 ただただ、みなさんが無償、無条件で視てくださることだけが、彼のいわば「成果」です。
 最新の放送は、これです。そしてすべてがここに並んでいます。

 議員会館の青山繁晴事務所には、学生インターンが優斗くんを含め3人います。
 ほかのふたりは、一橋大学大学院の経済学徒、帝京大学の政治学徒です。それぞれの立場と、それぞれ自律した考えで、優斗くんと同じく無報酬で貢献してくれています。
 学生インターンは3人いますと何度発信しても、「なぜ学生インターンが増野優斗ひとりしか居ないんだ」といきなり追及する人が居るネット社会が今です。

 公設秘書も合わせ、議員会館の青山繁晴事務所には、今すぐ国会議員となっても即戦力となれる人材が複数居ます。
 それを応援し続けます。
 ただ同時に、この大切なみんなに「人権なき国会議員生活」を送らせるのかと、苦しく思うことがあります。
 ネット社会は、ぼくの思春期や青春期には無かったものです。

 二十歳のぼくを救ったのは、報われない哲学者として夭折したキェルケゴールの『死に至る病』という、哲学書としてはわりあい短い、薄い一冊の書物でした。
 それを読んだからこそ、慶応中退、早大受験という決断もできたのでした。
 ネット時代に、こうした一冊との出逢いはあるでしょうか。

 東大生へのゼミを今も続けていて気づくのは、毎年、確実に東大生のレベルが落ちていることです。
 幼い頃に本よりもネットに馴染むのは、東大生といえども同じです。
 AIをめぐる破滅的な予測の流行と合わせて、人類の近未来に新しい、深い危惧が生まれている今、ぼくは、夜ごとに一字一句を刻んでいく作家でもあり続けようと、決意が深まるのです。

 作家であることは、国会議員として政府内などで地位を得ることにとっては、間違いなくマイナスです。
 石原慎太郎さんの時代とも違います。
 ネット社会は実は、為政者に、「自由な発信」への無意識の警戒心を植えつけているからです。
 だから今の時代には、作家を兼ねる議員は、より為政者に警戒されます。

 どうぞ、なんでも来い。
 雪のない神戸に生まれたぼくがなぜ、どんな無理をしてでも、ことしも頭の中ですでにイメージ・アルペンスキーを滑走し始めているか。
 緩斜面から一気に急斜面へ飛び込むときのあの気持ち、あの思い切り。
 それがあるからです。

 どうぞ、なんでも来い。無役でもなんでも、やることは変わりません。







 

 
 
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